<序>
熱い息が、焼けただれた喉を通り抜ける。
目をゆるりと閉じれば、先程よりもいやに大きく聞こえる乱れた互いの息遣いに、体温が上昇した。
「…ん、ぁ…っ………」
必死で耐えて、耐えて──それでも漏れてしまった自分の声。
カァッと頬が火照る。
目の前が真っ赤に燃えた。
男のくせに、こんな声を上げるなんて、みっともない。消えてしまいたいくらいの、恥ずかしさだ。
今度こそ何が何でも声を漏らすまい、と、決意も新たに唇をきつく噛む。
すると、指で唇をそっとなぞられた。
「どうせなら…我慢しないで、全部オレに聴かせてほしいんだけど──」
//Selection//
・拓啓version
・啓拓version
・拓兄version
・兄拓version
.....続く
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